<あらすじ> ある時代のデンマーク。 王が急死し、その弟であるクローディアスが王位に就き、先王の王妃であったガートルードを妻とした。 しかし、王子ハムレットは、亡き父・先王の霊から死の真相を聞かされる。 それは、クローディアスが先王を毒殺したというものであった。 真実を知ったハムレットは、突然狂気にかかったかのような言動を始める。 それは恋人のオフィーリアを傷つけ、さらにはその兄レアティーズ、父ポローニアスをも巻き込み、 血で血を贖う陰謀と復讐が王室内に渦巻いてゆくのであった…。 (公式サイトより引用 )
有名過ぎるこの題材ですが、実はハムレットはちょっぴり苦手意識がありました。
なんてったって暗い、重い、というイメージが強くて。
子供の頃児童向けの小説を読んだ時、父王の亡霊のシーンが妙にインパクトがあって怖かったっていう印象が強かったんですよね。
で、復讐劇なわけでしょ〜 何となく敬遠していました。
とか言いながら、以前も藤原達也くんのお芝居を見た事はあるし、あまり説得力はないですね(笑)
今回ロックミュージカルってことで、見やすいんじゃないかと思って足を運んでみたんですが、想像以上に見やすくてありがたかったです。
とにかくテンポがいいですね。
すっごいハイスピードで進んで行きますし、物憂いシーンであっても、逆に妙に明るい曲調であえて表現しているのが、なんだか斬新な感じがしました。
とことん悲嘆にくれる暇を与えないというか、見ている人にあまり負担をかけない作りというか…。
とはいえ、ミュージカルは大抵、お笑いのシーンがあったりするもんですが、一応この作品中でもありましたけど、イマイチパンチが弱かったのは、やっぱりこの作品が「悲劇の王道まっしぐら」なせいなんでしょうね。しみじみ。
久しぶりに観たハムレット役の井上芳雄くんは、以前よりずっと存在感が増しているように感じました。声の線が太くなってきたように感じたし、高音がとても綺麗でした。
へ〜こんな声も出せる人だったんだ?と目を見張る思いがしたんですよね。
で、雰囲気も素敵な感じになってましたね。
やっぱりハムレットの醍醐味といったら、あの葛藤でしょうね。
父王によって「死の真相」を伝えられてから彼は豹変するのですが、下卑た甲高い声で歌って狂人を装った時と、妙に綺麗な声で内面の苦悩を吐露している時との落差が凄くて、彼の二面性を見事に表現していると感じました。
オフィーリア役の昆夏美さんは、以前「ロミオとジュリエット」の時に初めて見て、すっごい素直な胸に届く声をした人だなって目をつけてたんで、また彼女の声を聞くことが出来て凄く嬉しかった。
一途に愛する少女の役は彼女にとっても似合っていると思います。
最初に登場した時の幸せそうな様子から、発狂して自殺して行く姿の落差がとても大きくて、演技の幅を感じました。
愛するお兄ちゃんに紫のスミレを渡すシーンは、彼女らしくない妙にうわずったハスキーな声で、子供のように無邪気に歌う姿が妙に生々しくて怖かったです。
人は許容量を超える哀しみや苦しみに遭遇すると、あんなに簡単に壊れてしまうんだろうな…。
オフィーリアの兄レアティーズ役の伊礼彼方さん、シスコンぶりが素敵でした。
あ〜んなカッコいい兄ちゃんが居たら、普通は恋人なんて作りたいなんて思わないだろうになあ(爆)
伊礼さんは定期的に拝見しているような気がしますが、やっぱり歌がうまいですね。
叔父のクローディアス王役の村井國夫さん、私はシシィのお父さん役のイメージが強かったので、こんなに黒い人も演じられるんだな〜と思いました。
やっぱりすっごい存在感。悪人にしか見えませんて(笑)
ですが、彼もやはり葛藤とういうか矛盾を抱えた人物として描かれているんですね。
教会で懺悔をしているシーンでは、過去を懐かしんでいるようにすら見えたので、人って不思議な存在だなと。
母のガートルード王妃役の涼風真世さん、いや〜 深紅色のドレスがとっても魅惑的で素敵でした〜。
そりゃ〜男が寄ってくるでしょう(笑)
彼女は悪女と言われているんですか?? その辺の事は原作を未読なので私には何とも言えないんですけど、「女としての部分」と「息子を護る母親としての部分」が両方共存している人のように感じました。
権力者の妻というのもあるので、難しい立場だったんじゃないかな?と。
それでも最終的には「母の部分」が勝ったんじゃないかと、そんな風に見えました。
そして、なんといっても涼風さんは歌がうまいですね〜〜〜。
またエリザベートやってくれないかなあ(切実) それは一路さんにも申し上げたいんですけど。
ま、こんな感じかな?
印象的なシーンはいくつかあるんですけど、一番異色に感じたのが「墓守」が登場するシーンです。
そこだけ庶民が登場していて、墓守は「死んでしまえば、皆同じ」と言いきって、楽しげに骸骨を投げ捨てるんですよね。
この作品がつくられたのが1600年初頭らしくて、まだまだ身分制度にがんじがらめだった時代だと思うんです。
そういう時に、ある意味身分批判ともとれる発言を作中の人物に言わせているっていうのが、凄いなって思いましたし、庶民の逞しさも感じました。
面白い描写ですね〜。
後はお決まりの、「生きるべきか死ぬべきか、云々」のシーンと、決闘のシーン…。
全てが終わった時、何ともやるせない気分になりました。
人生ってなんて愚かで儚いものになってしまったんでしょう、彼らは。
とても憐れに思いました。
この作品も早くDVDとかCDとか出て欲しいなあ〜
一応ダイジェストの映像があったので、期間限定かもしれませんが紹介しますね。
VIDEO 2012/02/29 (Wed) 17:26:39 | Category:
演劇・音楽 レポ |
このページのトップへ